“ファイナルファンタジー クリスタル・クロニクル リマスター” 感想

今作は2003年GCにて発売されたファイナルファンタジー クリスタル・クロニクルのリマスター版。
Switch・PS4・iOS・Androidと様々なプラットフォームで発売され、それらに区別なくクロスプラットフォームでのオンラインマルチプレイが可能。

余談ではあるが、GC版は面白い経緯のある作品で、当時任天堂とスクウェアはFF7をPSに出して以降は喧嘩状態で、仲直りの印として任天堂ハードでFFシリーズを出す、という目的の元に作られた作品らしい。
本作の特徴であるクリスタルケージと瘴気も、当時マルチプレイで主流だった画面分割をすることなく、1つの画面でマルチを行えるように考えられた仕組みで、システムありきで後から世界観設定などがされた作品のようだ。
興味が有る方は調べてみてね。

クリアタイム:約25時間
そこそこファームしてます、あんまりしないなら数時間でクリア自体は可能

評価: 悪い(リマスターとして)

僕は2003年当時にこのゲームを購入しクリアしている。
全体的にリマスター版とは思えない、不便さを感じるゲームとなっている。

■ストーリー
大陸に巨大な隕石が堕ち、世界は猛毒の瘴気に包まれた。
瘴気を浄化できるクリスタルの命を繋ぐためにミルラの雫を集めて村へ持ち帰ろう。

雫を持ち帰ると宴に

■感想
評価を悪いとしたにはそれなりに理由があります。

◇good
・友人とのマルチプレイが面白い
GC時代はゲームとは別にGBAとケーブルを人数分用意する必要があり、マルチプレイのハードルが結構高いゲームで、これが当時の難点だった。
今作ではインターネットを介してマルチプレイを容易に行うことが可能。
ソロプレイよりも全体的にわちゃわちゃとした画面になり、友人と遊ぶには楽しいゲームだと思う。

・雰囲気ゲーとして素晴らしい
ゲーム自体は牧歌的な感じだが、世界観そのものは中々過酷な世界。
ダンジョン突入時の語りや、サントラなどと相まって雰囲気を形成している。

・サントラがすごい
古楽専門集団“ロバハウス”の演奏を使用している。
全編を通して素晴らしい音楽。
今まで聞いてきたゲームサントラの中でも最高の物の1つだと考えている。

・アイテムがスタックできる
GC版は消費アイテム1つ1つで1枠取っていた気がするのだが、今作では纏めて持つことが可能になった。

・マジックパイルのタイミングが表示されている
オンラインプレイということもあり、タイミングよく魔法を合体させるのは難しいと考えたのだろうか、視覚的にタイミングがわかりやすく表示されるようになっており、配慮を感じる。

・ボイス・キャラパターンの追加
イベントシーンは多分フルボイス。
キャラクター作成の際の見た目も各種族・性別毎に1つずつ新規に追加されている。

・ダンジョンやアイテムが追加された
クリア後にはダンジョンの更なる高難易度版や強力な装備が追加されており、やりこみ要素が増えた。

◇bad
・ロードが長すぎる
一番のマイナスポイント。
プレイを開始してすぐに気になった。
オリジナルのGC版当時よりも明らかにロードが長い。マップが切り替わる毎に10~15秒ほどロードに要する。
恐らくiOS・Androidまでプラットフォームを広げたことが大きな原因の1つだろう、と考えている。
基本的にはダンジョン周回ゲーで、オリジナル版のゲームテンポ自体良くはない作品だったのに、ロード時間がとても伸びたことにより物凄くテンポの悪いゲームだと感じられる。

・マルチプレイの面倒さ
別のダンジョンに入ろうとすると、毎回PTを組み直さなければならない。
フレンド枠からのPT招待も反応が遅く、自分でPTを探して入る必要がある。
マルチプレイのサーバーが貧弱で、発売当初はやりたい時にマルチプレイが不可能だった。
また、ボス戦前後のムービースキップが不可。
これらの理由から、マルチプレイ面倒だな、と感じる気持ちが途中から強くなった。
また今作でマルチプレイが可能なのはダンジョンだけであり、オリジナル版マルチの“共に旅をしている感覚”というものは無くなった。

・ダンジョン難易度の選択がない
ダンジョンを周回する度に3段階までダンジョン難易度が上がり、難易度の上昇と同時に報酬も良くなっていくゲームシステム。
1つのセーブデータにキャラクターを複数作成可能なのだが、育成していないキャラクターでもダンジョンの難易度は高いままとなる。
リマスター版では改善されているだろうと思っていたのだが・・・
また、マルチプレイの募集からダンジョン難易度が見れない。

・UIがだるい
マルチプレイ中にスロットの変更や取得した魔法の譲渡をする際の操作の切り替えがかなり手間。
使っていないボタンが多いんだからもっと色々便利に出来ただろ、という気分。

■総評
クオリティ向上を謳って半年以上の発売延期をしたが、リマスター版になる上で期待していた点で期待外れの部分もあり、何故かオリジナル版より不便になってしまった点も多いゲーム。

2003年当時のゲームとして思い出補正も込みで雰囲気ゲーの良作、と考えている。
一方で今プレイすると全体的に作りが古い作品だな、と感じる部分があるのも事実。
ダンジョンに入った時の課題を何度も入り直して選別したり、たたかうの3連撃でさえ完全に安定して出すのが難しかったり。
まあそれでもFFCCというゲーム自体は今でもそれなりに良作と考えています。
ただリマスターとして考えると、良いリマスターだとは思えませんね。

マルチプレイに関してはマルチにすることで逆に面倒になる部分というものも多々あるので、野良でマルチして楽しむ作品ではないかな、と考えている。

正直今の時代このゲームで5000円は高いかな~、3000円くらいならまあ有りかも。
アップデートでロード時間がGC版くらいに戻れば良ゲーだと思う。

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