“冥契のルペルカリア” 感想

ウグイスカグラ製作の“冥契のルペルカリア” 読了。
ウグイスカグラの過去作は全てプレイ済み、過去作が全て面白かったので引き続きプレイ。

プレイ時間:12時間程?
多分他のゲームと変わらない。でも何故かわからないが、少し短く感じた。

評価:とても良い
ウグイスカグラの作品はどれもかなり人を選びそうだが、個人的には非常に好みだ。

■ストーリー
皆で演劇やろう!

■感想
いわゆるヒロイン脱落式の1本道作品。この形式のゲームのお約束として、各ヒロインのEDはあくまで脱線したおまけというか、形式上用意されるものに過ぎないかな、という印象。
今作での個別ENDは完全に虚構、ただの逃避先であることが作中で明言される。

じゃあグランド、メインヒロインは誰なのかという話だが、妹だ。実妹だ。
どうもこのライターはとにかく妹が好きなようだ。義理の妹なんてものは逃げだ、と言わんばかりに過去作でもかならずヒロインに実妹がいたが、今作は完全にグランド妹ルートだ。
まあ“紙の上の魔法使い”も実妹が事実上メインヒロインみたいなところあったが。
妹に一家言ある人に推奨したい作品だ。

全体的に纏まっている作品だが、一応ヒロインの1人であった琥珀に関してはほとんど掘り下げがなく、本当にただの舞台装置だったのでもう少し言及が欲しかったような。

親友枠?にあたる双葉にフェンリルの役が与えられたのはただの成り行きに見えたが、最後まで読むと良く出来てるな、と。

サブキャラは“お前と演劇するの息苦しいよ・・・”と言いたくなる座長を筆頭に、皆それぞれ良かった。

一方で主人公は何かしているようで特に何もしていないような・・・
“空に刻んだパラレログラム”の時も同じこと思ったけど。
あんまり魅力がないので、他のヒロインが主人公のことを好きになるのに少し説得力が欠けているような気はした。

全体的に、同じメーカーの過去作に比べると少し読みやすくなった代わりにカタルシスも薄くなったかな、という印象。それでも面白いことに変わりはない。

◇good
・バグ、誤字脱字が(おそらく)ない
このメーカー、やたらとバグや誤字脱字が多く、過去にはキャラが2体に分身したり、メインストーリーが丸々1章分スキップされるやべえバグが存在したのだが、今作では特にそういったものは見られなかった。
無いのが当たり前?うるせえ!

・高品質なシナリオ
ちょっと鬱ゲーっぽいというか、悲劇的、閉塞感のある暗めな作風は健在。
絶対万人受けはしないだろうが・・・

◇bad
・過去作のプレイが望ましい
過去作の “紙の上の魔法使い” を読んでおかないと、作中の設定についてわからないのでは。

■総評
メーカーの問題点であった誤字脱字やバグ、システム面で改善が見られ、ブラッシュアップされつつある。
シナリオの内容も過去作の“紙の上の魔法使い”や“水葬銀貨のイストリア”と比べると少し素直、マイルドな作品になった印象。
マイルドになり、万人受けしやすくなりつつある・・・ような気もするが、全体的に息苦しい雰囲気の作風なので絶対万人受けはしなさそう。
妹ゲー。
ライターの作風がとても好みなので今後も期待。

一応忠告しておくと、製品ホームページのコンセプトにある青春とか恋愛みたいなワードを見て、ゆずソフトやらオーガストみたいな学園恋愛青春キャラ萌えエロゲみたいなものを想像すると全然違う料理が出てくるのであまり信じないように。
いつ主人公が自殺するのか心配しながらプレイしていました。

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